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ホンダ・シビックタイプRユーロ用2DIN取付キット開発経緯 

現在2DIN取付キットを開発し製造・販売しておりますが、
シビックタイプRユーロが限定発売されると聞いて、2DINキットを開発しようと決めたわけではありません。
弊社がXaCAR編集部所有のシビック・ユーロへの純正ディーラーオプション2DINナビを取付ご依頼いただいたことが発端です。

最初に話があったときは、欧州仕様のシビックなんて見たことありませんでした。
新婚旅行含め、アジア圏から出たことありませんから当然です。
他社だって手がけたことの無い、非常にレアな車両です。
しかし、だからこそ「面白そうだからやってみましょう」となるのに時間は掛かりませんでした。

着手決定後まず伺った話では、カタチが特殊で純正オーディオからの交換ができない。しかも取り外しも大変。
なんとか純正オーディオを外すと今度はエアコンや時計の表示が出来なくなってしまう。
どうやら純正オーディオ内部で表示をコントロールしていそうな感じ。
聞いてる話だけではありますが、こんな困った車、対処できたとしたら、さぞ面白そうです。
完成した時のことを想像するだけで、たまりません。
とっても興味が沸きました。
幸いにして、XaCAR編集部で入手した、英国から輸入したオーディオレス用2DINパネルだけはある。
じゃあ条件は揃った!・・・やりましょう!

たった1台、試行錯誤しながらの作業。
多くの時間や手間が掛かり、非常に面倒な車両であることを再認識しました。

純正オーディオでエアコンや時計の表示をコントロールしていそうなことから、純正オーディオを移設して残すことに。
しかしそのまま移設だとあまりに大きく邪魔。
グローブボックスにも入らず、助手席・運転席下にはガソリンタンクがあるため、スペースが無い。
トランクへの移設は可能だけど、荷物の出し入れに邪魔になりそう。
上記から、純正オーディオを分解・再構築することを提案。

不要な部分の分解や取り外しだけでなく、固くて割れやすい鉛フリーはんだ使用回路への
フレキシブルケーブル追加接続などなど、弊社で通常行っている修理技術をふんだんに盛り込みました。
おかげで出来上がった表示回路は1DINほどのサイズに出来上がりました。
これでグローブボックス内に入る上に多少のモノなら入るから、グローブボックスとしても機能する。
これなら手間を掛けた甲斐があるというもの。
新しい発想を盛り込みつつ進めた作業によって完成した車両は、見た目も使い勝手も良好に完成。

1台出来上がり、ご依頼元のXaCAR誌面で紹介されると、遠くは北海道や青森、秋田から問い合わせが来るようになりました。
もちろん近隣からもお問合せいただき、全国レベルで興味の高い内容だということを認識しました。
弊社で純正オーディオの移設などを行ったことも数件。
もちろん、いらしていただける方のみの対応でした。
弊社が出張取付することも考慮しましたが、当然ながら遠ければ遠いほど出張料が嵩み、
世界中で見れば狭いこの日本国内とはいえ全国へ快適なユーロの環境を届けるまでに至りませんでした。
逆に快適環境を提供しきれないことに絶望感を抱いたほどです。

あまりに多くのお問合せをいただき、タイプRユーロに対するユーザーの方々の思いに、
できるだけ良好な環境を提供できれば、という思いに変わるにはそれほど時間は掛かりませんでした。
取付キットを製作することに決定。


まずは英国からのパネル輸入。現地の輸入業者に連絡を取る。
しかし、日本からのメールに「怪しい」と思われたのか、返信が来ない日々。
そんな日もあったが、無事パネルの調達をすることが可能になった。

ついでと言ってはナンだが、業者に英国での固定方法を聞いてみると、四角い枠を使って固定しているらしい。
試しに取り寄せしてみたが、どうしても0.5mm程のスキマが空く上にガタもある。
英国ではこれでクレームにならないらしい。

ヨーロッパの方々は製品や取付に関してもっとシビアだと勝手に思っていた。
しかしどうやら違うらしい。
しかしこの状態では日本のユーザーさんには受け入れられないことは重々承知している。
思い切って固定用金具も作ることにした。
ただし手作り・ワンオフ金具のように手曲げではなく、キットとしてのクオリティも大事にした。
見えない部分ではあるが、そんなものを出荷してはいけない。
検討した結果、沼津市内にあるレーザー加工機まで所有する板金加工メーカーに製作を依頼。
おかげで恥ずかしくない金具に仕上がった。

部品が揃ってきた。キットとしてはほぼ完成。
しかしキットとして大事な部品・取付説明書の作成。
ある程度記録写真は撮っていたものの、全工程ではないし、ここまでこだわって部品を作ったのだから、
最初から取り付けしなから撮影することにした。

取付しながら撮影した枚数は100枚以上。
編集は大変だったが、説明書に掲載する写真で足りなくて困ることはなかった。
取り外しするネジ1本の場所やパネルを外す際の工具の差込位置まで撮影・掲載しているから、
実際に取り外し・取り付けする際には、この説明書さえ見ていれば困ることはないだろう。

−−−

弊社の勝手な思いとこだわりが詰まった取付キットです。
なるべくカンタンに取付でき、快適に使えるよう考えた製品です。
気が付いたポイントは逐一盛り込み、失敗やケガが無いよう配慮しました。
ぜひ2DINナビ取付などにご活用ください。


開発日記

2009年12月某日
数年前に弊社をご利用くださったXaCAR編集長補佐が、弊社から届いた年賀状の作例を見て
シビック・ユーロへの2DINナビ取付作業をご相談。
数日後、ナビなどを積み込んだユーロが弊社に到着。
まずは純正の取り外し、構造がちょっとややこしくて面倒で固い、というのが最初のイメージ。それは今でも変わらない。
純正オーディオが外れたら分解。不要なCDプレーヤを取り外し、エアコンや時計表示に必要な回路部分のみを
抜き出す。工程が1つ進むと接続&動作確認を繰り返し、回路を破損させていないかをチェック。
昼間は車体での作業を行ったが、夜は移設する純正オーディオをできるだけ小さくするのに夜なべ仕事。
「かーさんがーよなべーをして」と歌いながら作ったけど、実は半分涙目。
コネクタ部分へハーネスをハンダ付けするのに、コネクタのピッチが細かい上に施工しにくい場所。
仕上がりのキレイさを狙ってフレキシブルケーブルも採用。
(余った一部は、こういうモノが好きらしい編集長へプレゼントとしてお渡しした。)
さらに言えば接続点数も多いし、終わる頃には目が・・・
ようやく出来上がったものはもともとのサイズの約半分にまでダイエット成功。
接続して動作確認、良好。延長ケーブルも作成し、グローブボックスも加工し、移設して再度動作確認、良好。
これでナビ取付に移行できる。

GPSや地デジのアンテナを取り付けする際にも、ピラーエアバッグ装着車ということもあり、要テクニック。
ちなみに軽量化のためか、タイプRユーロにはピラーエアバッグは装着されていない。
取り付けを進めるにつれて1箇所ではあるが加工箇所も発生。
これでナビはカタチ上取り付けできた。
あとはグローブボックス内に移設した回路のカバー。これができれば完成だ!

ちなみにこのときの部品代としては、英国から輸入の2DINパネル47000円、取付工賃は15万だから、
ナビ以外の費用はおおよそ20万円かかっている。


2010年1月10日
シビック・ユーロへのナビ取付について、XaCAR誌上で3ページに渡り記事にしてくれた。
あまりに嬉しくて、結局10冊買って配った。
あまりに嬉しくて、掲載記事3ページと表紙で小冊子を作って配った。
あまりに嬉しくて飲みに行った・・・

2010年1月11〜13日
喜ぶ本人たちをよそに、特に平穏無事な毎日。
電話もメールも来ず、マスコミに取り上げられても、世間的には興味ゼロか?と思う日々。
今思うとバチ当たりな思いだ。

2010年1月14日〜2月9日
電話での問い合わせが少しづつ増えてくる。
最初は神戸だったろうか。遠くは北海道、青森、秋田・・・全国誌ってスゴい。
しかしあまりに遠くだといらしてもらうのに大変だし、こっちから出向くにも出張旅費だってバカにならない。
そんな中でも割に近い方は作業にいらしてくださった。おかげでETCやバックカメラの取付例も出来た。
この頃は純正オーディオを移設のみという仕様も手がけた。
2DINパネルは同様に使用47000円、工賃7万円と部品類だから、合計約13万円。
だいぶ安いがグローブボックスは車検証とETC程度しか入らない。
多くのお問い合わせの中、キット化の予定はないのか?と聞かれたが、改造する内容でキットは
あり得ないと思っていた。

2010年2月10日
XaCAR3月号発売日。タイプRユーロに関しての記事に新たな展開。
本国・英国で発売されているらしい、オーディオレス用サブディスプレイパネル。
聞いた話だと4万とか8万とか。
しかしそれはそのまま接続できないと言う、よく分からない仕様。
配線類に改造が必要とか。しかもコネクタ類の部品が入手できるスキルを持った人でないと不可。
オプションパーツなのにポン付けじゃないの?と疑問に思ったものだ。
でも興味が沸き、いろいろと調べてみることに。
しかし改造を伴うことに変わりはなく、価格面でもアドバンテージは少ない。
2DINパネル47000円、サブディスプレイ4万、工賃5万と考えると15万程度か。
某社から聞いてる話だとサブディスプレイが8万という説もあるらしい。
だったらトータルで20万に手が届きそうだ。
ただ移設しない分、グローブボックスを使えるというメリットあり。
改造するということは、タイプRユーロオーナーが希望してもハードルが高く、手を出せないという
可能性が非常に高い。それをプロショップに依頼すれば、それなりの額を請求される覚悟が必要。
また、全国どこでも対応できる内容ではないのは弊社作業と同様だ。
どれをチョイスしても、オーナーにはなかなか厳しい。
やはりキット化が必要なのだろうか?ウチでできるのか?自問自答開始。
夜な夜な調べごとや勉強をする日々が始まった。

2010年3月
2DINパネルの手配も英国から直接できるようになり、サブディスプレイのハーネスも目処がついた。
あとはキット化の際に付属する取付金具を作成しなくては。
以前作業させてもらったお客様にお願いした。
「純正オーディオを外した仕様にしますからご協力お願いできませんか?」と。
キット用ハーネスを使用し、移設した純正オーディオを取り外し、動作も検証した。
寸法測ったり型取りしたり、キットを作成する上でのシミュレーションも行わせてもらった。
これでキット内容物はすべて揃う。

2010年4月9日
部品類が揃った取付キットを使って取付を行った。
取付も行うが取扱説明書用写真撮影をしたいからだ。
これを使って取付説明書が出来上がれば、キット化、完成!

2010年4月10日
XaCAR5月号発売。
取付キットの写真など、事前に出来上がっている情報は先にお送りしてあったので、掲載してくださった。
発売日と価格も決定。4月20日。105000円。取付説明書、急いで作らなくては。
この値段ならばナビ以外で取付工賃を含めて14万程度で済むか?
改造するのと同様もしくは非常に安価な価格なのに純正オーディオを残す必要がない。もともとスタートは20万だし。
もちろん改造不要。
ディーラーさんやショップさんやご本人でも作業可能なよう、カンタンに取付できるよう設計したハーネス類。
取り外し・取付についても工具差込位置やネジ1本まで解説した取付説明書添付。
これならば、全国のオーナーさんたちにご満足いただけるのではないか?

2010年4月11〜16日
台湾出張している間に平均して1日1件予約が入る。
初期ロット5セットを越える予約注文が入り、次ロット製作を決定。

2010年4月20日
リリース開始。まずは初期ロットの5セット中4セット。
1セットは取付説明書作成時に使ってしまったのだ。
この頃にシビックタイプR(4ドアのFD2)生産終了のプレスリリースが。
それに伴い、英国からシビックタイプRユーロの追加輸入決定。

2010年5月上旬
第2ロット5セット出荷。
ステアリングリモコン対応について検証開始。オプションハーネス追加による動作。
パイオニア製ナビAVIC-HRZ900とAVIC-MRZ90、アルパイン製XIE-X08(s)へのステアリングリモコン対応ok。
次ロットから取付機種により同梱することを決定。オプションハーネス1575円。
シビックタイプRユーロ専用バックカメラ検討開始。

2010年5月中旬
弊社で市販のバックカメラを取付していて、いつも手間のかかる作業。
1つはリヤハッチ内の配線通し。
もう1つはカメラ自体の角度調整。
リヤハッチ内を通しやすく、取付角度をあらかじめベストな角度で設定したカメラであれば、
とても簡便に付けれるのではないか?と思いついた。
しかも単一車種であれば設定角度も1つで良いことから、シビックタイプRユーロ専用として
製造・販売することにした。
もちろん2DINキット同様、詳細な取付説明書も作成。
ここまで書いてある説明書も無いぞ!と自慢できる内容。

2010年7月頃
ステアリングリモコンはオプションハーネスのみに対応だったが、赤外線リモコン対応機種にも対応すべく、
赤外線リモコンキットも販売開始。
某社OEM品ではあるが、直接購入してそのまま取付しても動作しないので、弊社からのご購入に限り、
専用取付説明書を添付。

2010年10月頃
エアコンや時計などを表示するサブディスプレイが純正ではスモールライトon時に減光するが、弊社キットは
減光対応していなかったので、減光するようマイナーチェンジを実施。

2010年12月頃
シビック・ユーロXaCAR号を作業の際に1週間ほど借りていて、その時に唯一不満だったトランクの暗さ。
ランプが点灯するものの、トランクが全然明るくならない。
ということで弊社でトランク灯の製品企画。
LED電球交換とは大きく異なり、純正サイズの中に18球と大量の白色LEDを実装することに成功。
取付も交換だけのワンタッチ。熱量対策も万全。
ふと気が付くと、他のホンダ車にも使用可能だったり、なぜかZ33フェアレディZにも使用可能だったりする。

2011年8月頃
自分でオートライトを使用していなかったので気が付かなかったが、オートライトの需要が多いことが判り、
オートライトキット開発。
ホンダの他車種を調べたが、ユーロとは全然異なる回路。
純正オプションカタログにも記載が無い理由は、ライト周りの回路が日本仕様とは考え方が異なるため、
取付不可なのだ。
カッコは他車種純正流用の方が良好だが、これをやるととんでもなく高くついてしまうことは判り、
今回の製品は純正ディーラーオプション品を流用して取付できるキットとすることにした。

まだまだ続きます、多分。

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